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火源

火災の定義

火災はさまざまな形で定義されますが、代表的なものをいくつか挙げます。

NFPA 921:「急速な酸化プロセスであり、さまざまな強度の光と熱の発生を伴う化学反応である。」

Webster's Dictionary:「火災とは、熱と光を放出する発熱化学反応である。」 火災は、火の四面体(Fire Tetrahedron)という観点からも説明できます。これは火災が存在するために必要な要素、すなわち可燃物(燃料)、酸化剤、熱、そして連鎖的な化学反応を幾何学的に表現したものです。

燃焼

燃焼は、基本的に燃料、酸素、燃焼生成物という 3 つの物質が関与する化学反応です。これは急速な酸化プロセスであり、酸素と燃料から燃焼生成物が生成されます。典型的には発熱プロセスに基づきますが、必ずしもそれに限られるわけではありません。

火災が持続するためには、複数の条件が満たされなければなりません。これらは次の図に示す火の四面体によって表されます。すなわち火災には、燃料、燃料と反応して化学的に結合したエネルギーを熱に変換する酸化剤(ここでは酸素)、化学反応の活性化エネルギーを超えるために必要な熱の供給、そして連鎖反応を維持するのに十分に高い反応速度が必要です。

Fire Triangle

火災の計測

熱エネルギーとは、分子の振動によって特徴づけられるエネルギーの一形態であり、化学変化や状態変化を開始・維持することができるものです(NFPA 921)。言い換えれば、物体の温度を変化させるために必要なエネルギーであり、熱を加えれば温度が上昇し、熱を除去すれば温度が低下します。熱エネルギーはジュール(J)を単位として測定されますが、カロリー(1 カロリー = 4.184 J)や BTU(1 BTU = 1055 J)でも測定できます。

温度とは、基準点と比較した物質の分子活動の度合いを表す尺度です。温度は華氏(氷の融点 = 32 °F、水の沸点 = 212 °F)または摂氏(氷の融点 = 0 °C、水の沸点 = 100 °C)で測定されます。

FRI3D における火源の作成

上記の概念に基づき、FRI3D のユーザーインターフェースは、これらの値をユーザーが入力し、シミュレーションで利用できるように設計されています。

FRI3D では、火源(Fire Source)は Compartment Inspector(区画インスペクター)から次の操作で作成します。

Simulation Items -> New Fire Source

火源プロパティ
火源プロパティ

FRI3D における火災プロパティ

FRI3D の火源には、火災材料(Fire Material)が割り当てられます。火源は空間的な情報を持ち、火災材料は図に示すように熱放出率(HRR)などのプロパティを定義します。1 つの火災材料を複数の火源に割り当てることができます。これらのプロパティは、シミュレーション(FDS/CFAST など)に対して火災および火災材料の仕様を割り当てるために使用されます。

火源プロパティの作成・編集は次の操作で行います。

Fire Source -> Properties & Reactions

火源プロパティ
火源プロパティ

以下の各セクションでは、FRI3D でモデル化される火災のプロパティを列挙します。ただし、各項目の詳細は使用するシミュレーションシステム(CFAST/FDS など)に依存します。シミュレーション固有の詳細については後続のセクションで説明します。

FRI3D は現在、2 種類の火災をサポートしています。固体火源と液体火源です。液体火災の場合、対象となる火災シミュレーター(CFAST または FDS)に必要な構成要素の一部は自動的に計算されます。燃焼熱など、一部のパラメータは両者に共通です。

プレビルト火源ライブラリ

FRI3D には、数百件の火源を収録したライブラリがソフトウェアに同梱されており、プラントで発生する最も一般的な火災にそのまま使用できます。これらは、こうした火災シナリオに関する最新のガイドラインに従っていつでも更新できます。FRI3D の火災ライブラリは、固体燃料(バッテリーなど)と液体燃料(ベンゼンなど)に基づいて火災を分類しています。

燃焼熱

燃焼の際には、化学結合の組み替えだけでなく、熱が放出されます。これを定量化したものが燃焼熱(Heat of Combustion)です。

これは、化合物が標準条件下で酸素と完全燃焼したときに熱として放出されるエネルギーです。この化学反応は典型的には、炭化水素が酸素と反応して二酸化炭素、水、および熱を生成するものです。

この値は kJ/kg で指定され、消費される燃料の単位質量あたりに放出されるエネルギー量を表します。火災データベースでは、火災の種類に応じてこの値が規定されています。

放射割合

放射に関する最も重要なパラメータは、火災から熱放射として放出されるエネルギーの割合であり、一般に放射割合(Radiative Fraction)と呼ばれます。放射割合は火災プロパティの一部として指定します。

デフォルトでは放射割合は 35% であり、燃焼が生じているメッシュセルにおいて、単位体積あたり熱放出率(HRRPUV)の 35% が熱放射として放出されることを意味します。

反応(量論係数 C、N、H、Cl、O)と体積分率

ほとんどの燃料は、主に炭素と水素の化合物です。その酸化反応は量論(ストイキオメトリ)の式で記述できます。

量論燃焼(理論燃焼)とは、燃料が完全に燃焼する理想的な燃焼プロセスです。

完全燃焼とは、すべての炭素(C)を CO 2 に、すべての水素(H)を H 2 O に、すべての硫黄(S)を SO 2 に燃焼させるプロセスです。

排ガス中に C、H 2 、CO などの未燃成分が含まれる場合、その燃焼プロセスは不完全であり、量論的ではありません。

燃焼プロセスは次のように表せます。

[C + H (燃料)] + [O 2 + N 2 (空気)] -> (燃焼プロセス) -> [CO 2 + H 2 O + N 2 (熱)]

ここで

C = 炭素 H = 水素 O = 酸素 N = 窒素

これらの成分を表す量論係数は、火災プロパティで指定します。

最も一般的な酸化剤は空気です。メタン(CH 4)が空気と量論燃焼する場合の化学反応式は、次のように表せます。

CH 4 + 2(O 2 + 3.76 N 2 ) -> CO 2 + 2 H 2 O + 7.52 N 2

より多くの空気が供給された場合、一部の空気は反応に関与しません。この追加分の空気は過剰空気(excess air)と呼ばれますが、理論空気(theoretical air)という用語が使われることもあります。理論空気 200% は過剰空気 100% に相当します。

メタンを 25% の過剰空気で燃焼させる場合の化学反応式は、次のように表せます。

CH 4 + 1.25 x 2(O 2 + 3.76 N 2 ) -> CO 2 + 2 H 2 O + 0.5 O 2 + 9.4 N 2

火災材料ライブラリの仕様にも、これらの比率が含まれています。

固体火災

熱放出率

熱放出率(HRR:Heat Release Rate)は、火災がエネルギーを放出する速度であり、パワー(仕事率)とも呼ばれます。HRR はワット(W)を単位として測定されます。ワットは国際単位系の単位で、1 秒あたり 1 ジュールに相当します。火災の規模に応じて、HRR はキロワット(1,000 ワット)やメガワット(1,000,000 ワット)でも測定されます。

一般に、火災の熱放出率(単位時間あたりに発生する熱エネルギー、kW)は、火災の規模の変化に伴い、着火後の時間 t(秒)の関数として変化します。

火災の発達には、着火、成長、最盛期(フラッシュオーバー後の完全発達)、減衰の 4 つの段階があります。着火段階とは、火の四面体の 4 要素がすべてそろい、燃料が着火温度に達して火災が始まる段階です。

すす収率

これは燃料から生じるすすの割合、すなわち燃料質量のうち煙粒子に変換される割合です。無次元数(kg/kg)として表され、デフォルトは 0.01 です。

CO 収率

これは燃料質量のうち一酸化炭素に変換される割合(kg/kg)で、デフォルトは 0 です。これも火災プロパティとして指定します。

高さと面積

これらのプロパティは、将来のバージョンでは火源のサイズから自動計算される予定です。ただし現時点では、この値は火災プロパティの一部として指定できます。

液体火災

二次火源

FRI3D の火災材料ライブラリ

詳細な火災モデリングを行うには、火災解析において潜在的な火源として特定された各アイテムに、着火頻度や熱放出率(HRR)などの関連データが必要です。火災シミュレーションコードは、火災成長の計算とシミュレーション解析の実行に HRR を使用します。これらの情報は、FRI3D 内でさまざまな火源タイプとして整理されており、容易に選択・使用できます。ユーザーが新しい火源を作成する際には、リストから特定の火災材料を割り当てます。

米国原子力規制委員会(NRC)の防火関連レポートおよび米国防火技術者協会(SFPE)ハンドブックからデータを収集し、固体火災材料と液体火災材料の 2 つのタブに整理しています。

Fire Source -> Properties & Reactions

火源プロパティ
火源プロパティ

機器およびレースウェイの火源への割り当て

Fire Calculations(火災計算)の各セクションで説明した熱的故障計算に加えて、FRI3D では、特定のプラントアイテムが火源によって直接故障することを解析者が宣言できます。Compartment Inspector 内で火源を右クリックし、

Fire Source -> Assign Equipment/Raceways

を選択すると、割り当てダイアログが開きます。ダイアログには、その区画の機器、トレイ、コンジット、その他のレースウェイがカテゴリ別にグループ化されて表示されます。火源に関連付けるアイテムにチェックを入れ、Assign を押します。割り当てはモデルとともに保存され、次回同じ火源に対してダイアログを開いたときには、チェック済みの状態で表示されます。

その火源を含むシナリオをシミュレーションすると、割り当てられたすべてのアイテムは、シミュレーション結果とは無関係に、Source Location(火源位置)故障メソッドにより時刻ゼロで故障としてマークされます。すなわち、割り当てを行うと、熱計算の結論にかかわらず故障が保証されます。割り当てられていないアイテムは、通常どおりヒートソーク、THIEF、FLASH-CAT、および温度基準の各計算によって故障(または生存)が判定されます。

ケーブルは個別に割り当てることはできず、ダイアログには表示されません。ケーブルは、以下で説明するように、レースウェイを介して故障します。

火源に割り当てられたレースウェイのケーブル

レースウェイ(トレイ、コンジット、その他のレースウェイ)が火源に割り当てられると、そのレースウェイが収容するすべてのケーブルも、同じ Source Location 故障メソッドにより時刻ゼロで故障します。これには、他のレースウェイを経由して敷設されているケーブルも含まれます。すなわち、ケーブルは、それを収容するいずれかのレースウェイが火源に割り当てられていれば、他のレースウェイが影響を受けていなくても故障します。

この伝播が適用されるのは、火源位置による故障のみです。シミュレーション中に熱的に故障した(ヒートソーク、THIEF、または FLASH-CAT 燃焼による)レースウェイは、そのケーブルを自動的に故障させません。各ケーブルは、Heat Soak および THIEF のセクションで説明するとおり、それぞれ自身の熱的故障基準に対して評価されます。両方の経路で故障するケーブルは、最も早い故障時刻を保持します。

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