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Version: 1.3

FRI3D 1.3.0 リリースノート

リリース日: 2026年10月13日

インストーラーを含む公開ファイルの SHA-256 は、同じダウンロード場所にある SHA256SUMS.txt に各ファイルと並べて記載しています。IT 部門での許可リスト登録や ダウンロードの検証にご利用ください。

動作環境の変更: FRI3D 1.3.0 には Windows 10 バージョン 1903 以降(または Windows 11)が必要です。それより古い Windows 10 でも FRI3D は起動しますが、英語以外の名前は従来どおり文字化けします。「既存モデルへの影響」を参照してください。


ハイライト

  • 日本語などの英語以外の名前をインポート・エクスポートできます。 日本語、ドイツ語、ウクライナ語などで付けたゾーン、シナリオ、アイテム、基事象の名前が、プロジェクトファイル、CFAST・FDS の入力ファイル、レポート、RiskSpectrum/FRANX へのエクスポートまで正しく届きます。日本語のシナリオ名やプロジェクト名で CFAST の実行が止まることもなくなりました。
  • FDS 解析の一時停止・再開と実行時間の上限。 長時間の FDS 解析を一時停止して FRI3D を閉じ、後から停止した時点から再開できます。実行時間の上限(任意)に達すると、解析は破棄されずに一時停止します。
  • 全室焼損シナリオをワンクリックで作成。 区画内のすべての機器、レースウェイ、ケーブルが損傷したシナリオを、火災シミュレーションなしで作成できます。
  • PRA ロジックの対応付けを FRI3D で編集。 スプレッドシートを編集して再インポートする代わりに、Logic Inspector の右クリックメニューからレースウェイ、ケーブル、機器、基事象のリンクとリンク解除ができます。
  • FLASH-CAT ケーブルトレイ火災の精度向上。 NUREG-1934 付録 B で改めて検証しました。NUREG-1934 の検証用モデルとリファレンス入力ファイルを本リリースに同梱しています。
  • CAD インポートの改善。 STEP・IGES のアセンブリは、すべての部品が 1 回ずつ、正しい位置に、メートル単位で取り込まれます。glTF/GLB、OBJ、STL も同様です。

新機能

言語対応(日本語ほか)

  • どの言語の名前も正しく保存されます。 本リリースより前は、FRI3D で入力した文字列が誤ったエンコーディングでエンジンに渡されていました。画面上は正しく見えても、プロジェクトファイル、ソルバー入力ファイル、レポート、エクスポートには文字化けした文字列が渡り、エンジンが作成した名前(インポート時など)では日本語が ? と表示されていました。
  • 以前のプロジェクトは開いたときに修復されます。 以前のバージョンが誤ったエンコーディングで保存した文字列は、1.3.0 で初めてプロジェクトを開いたときに検出・修正されます。正しい文字列(日本語の文字列はすべて含む)は変更されません。
  • 日本語のシナリオ名・プロジェクト名で CFAST を実行できます。 実行フォルダーに日本語が含まれると、同梱の CFAST が "error 4 from routine exehandle" で失敗していました。現在は正常に実行されます。
  • ソルバー入力ファイルに識別子の対応表が付きます。 CFAST と FDS は ASCII の識別子しか受け付けないため、名前が ASCII でないアイテムや長すぎるアイテムには FRI3D_412 のような名前が書き出されます。CFAST・FDS の各入力ファイルの冒頭に、これらの識別子とモデル上の名前の対応表が付くようになりました。
  • 数値は常に小数点(ピリオド)で入力します。 小数点にカンマを使う言語設定のコンピューターでは、一部の欄(火災曲線の表、火災物質の化学組成)に 1,5 と入力すると黙って 0 になっていました。これらの欄は 1.5 を受け付けて 1,5 を拒否し、読み取れない値を入力した場合は元の値を保持します。
  • RiskSpectrum の識別子は大文字・小文字を区別せずに照合されます。 RiskSpectrum は基事象と起因事象の ID を大文字で保存するため、FRI3D 側で大文字・小文字が混在した ID は黙って除外されていました。ドットや括弧を含む ID も正確に照合されるようになりました。

FDS 解析: 一時停止・再開と時間の上限

  • 一時停止と再開。 FDS の進行状況ウィンドウに PAUSE ボタンが追加されました。FDS はリスタートファイルを書き出して停止します。その場で RESUME を押すか、CLOSE でウィンドウを閉じて後から再開できます。FRI3D を終了した後でも、Scenario Inspector でシナリオを右クリックし Resume FDS Run を選ぶと再開できます。一時停止中のシナリオを再度実行すると、Resume(再開)、Start Over(最初から)、Cancel(取り消し)を選ぶよう求められます。
  • 再開時は、一時停止した時点のモデルが使われます。 その後にモデルを変更した場合、変更を解析に反映するには Start Over を選んでください。
  • Cancel は Terminate になりました。 Terminate は解析を完全に終了します。一時停止中の解析を終了すると、そのリスタートファイルは削除されます。
  • Simulate Scenario ダイアログに Wall Time Limit(実行時間の上限)と Stall Timeout(停滞タイムアウト)の欄が追加されました。既定では実行時間の上限はありません(以前のバージョンでは、すべての FDS 解析が 12 時間で停止していました)。上限に達した解析は失われずに一時停止し、再開できます。
  • 機器の損傷は、解析の終了時に一度だけ計算されます。

全室焼損シナリオ

  • Scenario Inspector の右クリックメニューの Full-Room Scenario は、<シナリオ名>_FullRoom を作成します。このシナリオでは、元のシナリオの区画内にあるすべての機器、レースウェイ、ケーブルが t = 0 で損傷しています。火災シミュレーションを必要としない、全室焼損の PRA ケースに使用します。
  • 読み取り専用のプロパティ Failure Method が追加され、アイテムが損傷した理由を表示します。全室焼損では Manual、それ以外では火災シミュレーションの手法が表示されます。

PRA ロジックの編集

  • Logic Inspector からリンク・リンク解除。 ゾーン、レースウェイ、ケーブル、機器、基事象を右クリックすると、既存のアイテムをその下にリンクしたり、表示されている行からリンクを解除したりできます。ゾーンにはレースウェイ、ケーブル、機器を、レースウェイにはケーブル、機器、基事象を、ケーブルには機器と基事象を、機器には基事象をリンクできます。
  • 大規模プラントでも速い選択ダイアログ。 「Link …」はその種類のアイテムをすべて一覧表示し、入力に応じて絞り込みます。入力した文字で始まる名前が先に表示され、大文字・小文字と前後の空白は区別しません。矢印キーで選択を移動し、Enter でリンク、Tab で候補に共通する部分まで名前を補完します。一覧はプロジェクトごとに一度だけ読み込むため、基事象が 100,000 件あっても快適に操作できます。
  • 複数行に一度にリンク。 複数の行を選択して、1 つのアイテムを一度にリンクできます。すでにリンクされている行はそのままです。
  • 基事象を多数のアイテムに一度にリンク。 基事象の Link to Components / Cables / Raceways… は、プロジェクト内のすべての機器、ケーブル、レースウェイを検索欄付きで一覧表示します。チェックを付けたり外したりして Apply をクリックすると、すべてのリンクの変更が一度に適用されます。
  • 必要な場所で基事象を作成。 基事象の選択ダイアログから新しい基事象(Standard または Spurious、Spurious の場合はその確率も)を作成し、選択した行にリンクできます。既存の名前は使用できません。結果に反映させるには、名前を PRA モデルと一致させる必要があります。
  • 基事象の対応付けをやり直す。 ゾーン行の「Clear Basic Event Links (All Zones)」は、プロジェクト内の基事象へのリンクをすべて削除します。基事象の「Unlink from All (All Zones)」は、その基事象のリンクをすべて削除します。基事象自体は残ります。
  • アイテムがすべてのゾーンから外れる前に警告。 リンク解除によってレースウェイ、ケーブル、機器がどのゾーンにも属さなくなる(ゾーン火災で損傷し得なくなる)場合、FRI3D はその旨と、一緒に外れるアイテムの数を表示し、現在のゾーンの下に残す選択肢を示します。

CAD・BIM インポート

  • STEP・IGES のアセンブリが正しく取り込まれます。 配置された部品はすべて、アセンブリ内の位置に 1 回ずつ取り込まれ、ファイル固有の単位からメートルに変換されます。以前は、入れ子のサブアセンブリが二重に取り込まれ、名前のない部品や単独の面が欠落し、一部のファイルはエラーで停止していました。
  • glTF/GLB、OBJ、STL も STEP と同じエンジンで読み込みます。 入れ子の部品、繰り返し配置された部品、名前、位置が正しく取り込まれます。以前は何も取り込まれなかった現行の glTF/GLB ファイルも取り込めるようになりました。
  • CAD ファイルのインポートオプション。 Import BIM/CAD ダイアログに、選択したファイル形式のオプションが表示されます。OBJ と STL ではファイルの単位と上方向の軸(STL の既定は Z 軸が上、OBJ は Y 軸が上)、STEP と IGES ではメッシュの許容差を指定できます。
  • ファイルフィルターには、FRI3D が読み込める形式のみが表示されます: BIM/IFC、3D CAD(STEP/IGES)、3D メッシュ(glTF/GLB/OBJ/STL)。FBX、DAE、USD、PLY、DXF は、変換先の形式を示すメッセージとともに拒否されます。

改善と修正

シミュレーション精度(FLASH-CAT ケーブルトレイ火災)

  • CFAST: 火源の上で燃焼するトレイは、1 つの積層火災として書き出されるようになりました。最下段のトレイは、NUREG-1934 と同様に火炎が到達した時点で着火します(以前は火災開始から一律 5 分後でした)。上段のトレイは FLASH-CAT の遅延時間(4、3、2、1 分、以降は 1 分ずつ)で続いて着火します。
  • FDS: 最下段のトレイは、火炎が到達した時点、またはケーブルが損傷温度に達した時点で着火します。トレイ火災が実際に燃焼するようになり(以前は作動しても発熱しませんでした)、すべてのトレイ群で着火の遅延時間が正しくなりました。
  • 薄いケーブルトレイを含む FDS 解析が開始できます。 FDS の格子セルより薄いトレイが格子上でつぶれ、FDS が "VENT … must be attached to a solid obstruction" で停止することがありました。トレイ火災は、火源と同様に固体のトレイ上に保持されるようになり、その補正は解析のモデルチェックに報告されます。
  • FDS のケーブル損傷時刻は、FDS 自身の THIEF ケーブルモデルから取得します。 値はトレイ内のケーブル位置のものです。以前はトレイ下方のガス温度プローブから FRI3D が再計算していたため、最初に加熱されたケーブルが最後に損傷と判定されることがありました。
  • THIEF ケーブル損傷: 仕様のないケーブルの材料、コンジットモデル(コンジットのみに適用)、熱可塑性・熱硬化性ケーブルの損傷温度、FDS 結果の時間軸(FDS のケーブル損傷が約 10 倍遅れていました)を修正しました。空のトレイが無効な燃料を書き出すことはなくなり、FDS の THIEF センサーはトレイの内部に配置されます。
  • FLASH-CAT の着火の既定値が誤った単位(°F と W/m²)で保存されていました。現在は 205 °C / 330 °C、6 / 11 kW/m² です。
  • NUREG-1934 付録 B で再検証しました。 CFAST のトレイ着火は 482 / 722 / 902 s(NRC は 480 / 720 / 900 s)、高温ガス層の最高温度は NRC との差が 0.2 °C 以内です。NRC 自身の FDS デックとの新たな FDS 検証では、最下段のトレイが 472 s で着火し(NUREG-1934 では 480 s)、最下段トレイのケーブル損傷は NRC との差が 7 s 以内、1200 s 時点の発熱速度は 1 % 以内で一致しました。CFAST と FDS の付録 B 検証ページを参照してください。
  • NUREG-1934 の検証用モデルを FRI3D に同梱しました。 ValidationModels フォルダーに、公開した結果の元になった CFAST・FDS の入力ファイルそのものとともに収録しています。排煙換気を含む付録 A の新しいモデルも含まれます。

PRA とプラントデータのインポート

  • インポート時に PRA リンクを消去しても、ゾーンやシナリオが空にならなくなりました。 プラントデータのインポーターの「PRA リンクの消去」オプションは、プロジェクトにそれらのリンクがある場合、機器のゾーンへの所属やシナリオの内容まで削除していました。現在は、基事象へのリンクと、スプレッドシートから再作成されるケーブル/レースウェイと機器の対応付けのみを削除します。
  • Import Plant Data ダイアログを簡素化しました。 スプレッドシート、Access ファイル、FRANX ファイルに共通の 3 つのオプションです: Merge Items(新しいアイテムを追加し、既存のアイテムを更新)、Merge Links(ファイルのリンクを追加し、既存のリンクは保持)、Replace Links(ファイルに含まれる種類の既存リンクを削除してからファイルのリンクを追加。実行前に確認があります)。Merge Items と Merge Links は既定でオンです。オプションをオフにすると、プロジェクトの該当部分は変更されません。MERGE チェックボックスは廃止され、インポート結果は常にプロジェクトに保存されます。
  • インポートの失敗が報告されます。 プラントデータのインポートが失敗すると、FRI3D はその旨とインポーターが示した理由を表示し、開いているプロジェクトは変更しません。以前は、失敗したインポートも成功したように見えていました。
  • FRI3D が使えない行でインポートが止まらなくなりました。 存在しないアイテムを指すリンク行や、FRI3D に対応するリンクがない組み合わせはスキップされ、残りがインポートされます。スキップした行は、終了後に警告として一覧表示されます。ゾーンと基事象の行も同様にスキップされます。基事象はレースウェイ、ケーブル、機器にリンクしてください。
  • インポート時に、レースウェイと機器を Spurious 基事象にリンクできます。 以前はケーブルのみが可能で、レースウェイや機器の行があるとインポート全体が中止されていました。
  • スプレッドシートでも既存アイテムの更新が機能します。 .xls/.xlsx ファイルでは無視されており、単独で指定するとインポートが失敗していました。
  • リンクの置き換えで、基事象とシナリオのリンクも置き換えられます。 基事象シートとシナリオシートから読み込んだリンクは、古いリンクを置き換えずに追加されていました。FRI3D 上でシナリオに追加した内容(機器と基事象)は保持されます。
  • RiskSpectrum のクリーンアップで、別のシナリオの行が削除されなくなりました。 「Test」という名前のシナリオをクリーンアップすると、「Test2」の行も削除されていました。

安定性

  • プラントデータのインポート後にシナリオを切り替えるとクラッシュする問題を修正しました。
  • 同じ名前のゾーンとシナリオは、空のゾーンツリーや後のクラッシュの原因になる代わりに、プロジェクトを開いたときに報告されるようになりました。ゾーンとシナリオの切り替えエラーは失敗した対象を示し、「もう一度お試しください」とは表示しなくなりました。
  • ゾーンの切り替え、ツリーの読み込み、レポートのたびに増えていたメモリリークを修正しました。
  • ファイル名に使えない文字を含む名前のアイテムでも、インポートしたジオメトリが保存され、再度読み込まれるようになりました。
  • プロジェクトの復旧確認はメインウィンドウの上に表示されます。

既存モデルへの影響

  • Windows 10 バージョン 1903 以降が必要です。 それより古い Windows 10 では、英語以外の名前は 1.3.0 より前と同様に正しく扱われません。
  • 英語以外の文字列を含むプロジェクトは、初めて開いたときに修復されます。 以前のバージョンが誤ったエンコーディングで保存した文字列(主に手入力した ü などのアクセント付きラテン文字)が修正されます。修復を残すにはプロジェクトを保存してください。今後も 1.2.0 で開く必要があるプロジェクトは、バックアップを取ってください。
  • FLASH-CAT の結果が変わります。 トレイの着火時刻、トレイ火災の発熱速度、THIEF によるケーブル損傷時刻が、CFAST と FDS の両方で変わります。1.2.0 の結果と比較するのではなく、ケーブルトレイ火災を含むシナリオを再実行してください。
  • FDS 解析には既定で実行時間の上限がありません。 必要な場合は Simulate Scenario ダイアログで設定してください。
  • インポーターのコマンドラインが厳格になりました。 Import_PLANTX_XLS と Import_PLANTX_ACCDB は、未知のオプション(以前は --UpdateLink のような綴り誤りが無視されていました)、綴りを誤った値(--AddItems flase は以前 true と解釈されていました)、余分な 3 番目の引数(以前はプロジェクトを上書きしていました)を拒否します。オプションをファイルパスの前に置くこともできるようになりました。以前の動作に依存していたスクリプトは、意図しない処理をする代わりに、エラーメッセージを出して停止します。
  • CAD ファイルの取り込み結果が変わります。 STEP/IGES のモデルはメートル単位になり、以前欠落していた部品が含まれる場合があります。STL は Z 軸が上として読み込まれます。改善を反映するには CAD ジオメトリを再インポートしてください。取り込み済みのジオメトリは変更されません。
  • リンクの編集は、他の編集と同様にプロジェクトとともに保存されます(File → Save)。
  • リンクするレースウェイ、ケーブル、機器を変更すると、火災で損傷し得るものが変わります。計算済みの火災損傷結果は、火災シミュレーションを再実行するまで以前のリンクのままです。このような変更の後には FRI3D が通知します。基事象のリンクは次回の PRA 計算から反映されます。

既知の問題

  • 別途インストールした CFAST(FRI3D に同梱のものではない CFAST)では、日本語のシナリオ名やプロジェクト名で引き続き失敗します。同梱の CFAST を使用してください。
  • Logic Inspector でのリンクの編集は、Undo で元に戻せません。
  • ベントと同じ名前の火源をインポートすると、そのベントが火源に変わります。火源とベントには異なる名前を付けてください。

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